特捜部Q~檻の中の女~初読み
特捜部Q~檻の中の女~
著者:ユッシ・エーズラ・オールスン
訳 :吉田奈保子
発行:早川書房
休憩含まないで、7時間
休憩含んで、4日
頼れる部下2名を同時に失った主人公の刑事カールは、新設部署のリーダーとして異動となった。
国内の未解決事件を追う特捜部、しかしメンバーはカールのみ。部屋は窓もない地下室。
やっと寄越された人員は、シリア系の変人アサド1人だけだった。
特捜部Qが手始めに取りかかったのは、女性議員のミレーデ失踪事件。
スッキリ解決というより、解決に至る道は歩きにくく到達点も曇り空だった、そんな印象を受ける一冊でした。
船旅の途中に行方不明になったはずのミレーデの独白と、
公私共に上手く進まないカールの2人の視点が交互にやってくる構成で、離れた2人の視点が段々と近づいていく過程は読んでいてとても面白かったです。
登場する人物も多いのですが、それぞれ特徴を分かりやすく端的に書いているので、混乱せず読み進めることが出来ました。
私がこの本を見つけた本棚には、このお話しかありませんでしたが、どうやらシリーズもののようです。
ご縁があれば、他の話にも出会えるでしょう。
やや薄暗くて重苦しい内容でしたが、とても面白かったです。
夏目漱石 こころ_2回目で気になった個所
「こころ」を読んでいて、わからなかった箇所や気になった箇所の書き出し作業をしてく。
今はまだわからなくても、この先3回目4回目と回数を重ねれば、あるいはわかる時が来るかもしれないから。
「こころ」で気になった箇所・わからなかった箇所
- 「私」が「先生」に恋(に上る階段)をしていたのか?
- 作中の「私」の幼さ
- 明治時代は従兄妹間の結婚はOKだったのか
- 作中に出てきた土地(東京)はどこら辺だろうか
- 「私」が「先生」に恋(に上る階段)をしていたのか?
この作品は”恋”という単語が度々出てきているが、その中で この恋に上る階段 と思われるシーンがどこだったのか、僕なりに探してみた
まず、冒頭の海。どこかで見たことがある気がするというだけで、わざわざ別の日に会えるか姿を探したり、見つけたからと言って話しかけたりはしないと思う。
次に、先生宅や墓参り。特別な意味もなく度々遊びに来たり、墓参りにもついて行き先生のことをよく知りたいという「私」。距離を確認する「先生」に対して全く気付いていない「私」。
また、教授の話よりも「先生」の話をありがたがるのも恋の盲目に似たものなのかもしれない。
2.作中の「私」の幼さ
学生なのでたぶん20~24歳だと思う。およそ同年代の学生たちや家族ぐらいの狭い範囲の人間関係で過ごしてきたのだろうと想像してしまう程度に「私」は人間的に幼いと思った。
そう思ったのは、「先生」の毎月の墓参りを散歩と同等に考え本人に言ってしまった事、「先生」の思想や意見と、先生の過去とを混ぜて考えていた事、「私」の大学卒業を父が喜んでいることの内に、「私」に対してだけでなく、自身の、息子の卒業まで生きれたことの喜びや安心が含まれてることに気づけなかった事があげられる。
僕自身もまだまだ幼いと自覚しているから、「私」の幼さは共感できてしまう…
3. 明治時代は従兄妹間の結婚はOKだったのか
そもそも2023年時点でOKなのか知らないけど、気になったので調べてみる。
第734条
直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。
三親等は、曽祖父母、祖父母、父母、兄弟姉妹、子、孫、ひ孫、甥・姪、おじ、おば。
つまり従兄妹は結婚しても問題ないらしい。
では、「こころ」の時代ではどうだったのか。
明治時代のものでも、三親等内の婚姻は禁止だったが、従兄妹については問題なかったようだ。
まぁでも、過ごした時間が長い親族では恋愛感情わかないし婚姻の嫌悪感はあると思う。
4. 作中に出てきた土地(東京)はどこら辺だろうか
作中に、”雑司ヶ谷のお墓”や”先生の家(雑司ヶ谷のお墓まで徒歩圏内)”、”お嬢さんと先生とKの下宿”など出てくるが、場所がわかれば実際に歩いてみたいと思った。
しかし、ぼんやりとしか場所がわからなかったので、やはりフィクションはフィクションと割り切ったほうがいいのかもしれない…。
ほかにも引っかかる台詞はあるものの、大まかに気になったところを書き出せたので、少しは頭が整理できた気がする。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
夏目漱石 こころ_を初めて読んだ
夏目漱石の「こころ」を読むと言ってからえらく時間が経ってしまった。
あの後すぐに図書館で借りて読み始めたけど、なかなか読み進められず、結局3回借りてしまった。
ほかにも2冊ほど息抜き用に借りた本のほうがツルツル読めて、どっちが目標だったのやら。
そっちの感想もいずれ書きます、やってみます。
では、本題をはじめていく。
【注意】
・個人の感想です。
・ネタバレもあります。真っ新で読みたい人はここでブラウザバックしてください。
夏目 漱石「こころ」
各章で思った点
「こころ」を読み終わって最初に持った感想
こころ
著 者 夏目 漱石
発 行 新潮社
1985年5月15日 101刷
読むのにかかった時間:1回目 7h /2回目 5h(休憩含まず)
この本、裏表紙にガッツリネタバレが書かれていたのギルティ。
1回目は2章の途中でつまずいてしまい、図書館で借りなおす手間が発生した。
2回目は、正直、1回読んだだけではわからなかった箇所があったから、流れを無視して確認作業のために借りた。
各章で思った点
1章の「先生と私」は風景やイメージしやすく会話もテンポよく進んでいくため読みやすかった。夏の空気の暑さや、吹いたであろう風の涼しさとかを想像できるし、「私」は先生といる時ときめいたりワクワクした気持ちだったのだろうなと思うし、「先生」の優しさや寂しさ、苦しいような気持ちも伝わってきた。
たまに先生との会話で意図が分からなくて引っかかる箇所もあったけど。
2章の「両親と私」はとにかく読みにくかった。
前章とうってかわって、場面が閉鎖的で「私」が明るい心持ではないせいか、読んでいて楽しくない。両親との会話もテンポは悪くないけれど「私」がなんとなく退屈そう。
時間の流れもとてもゆっくりに感じて読む手がどんどん遅くなってしまった。
図書館で借りなおした時、1週間ほど時間を空けてみた。この1週間の間に読んだ内容をなるべく繰り返し思い出しておけばまた読むときに内容の解像度が上がる気がしたからだ。
なんとなく で期間を開けて正解だった。
部屋の空気感や、両親のシルエットが見えてくるようで2回目は比較的スルスルと読むことができた。
3章の「先生と遺書」は内容から受ける印象のせいで読みにくかった。
この章は、僕のイメージだけど、粗い画像のビデオを見ているような、霧のようなシトシト雨の中にいるような、あまり良い心持ではない章だった。
それもそうだよな、と読み終わって思った。
なぜなら、快活で鷹揚だった少年が、人の暗く汚い面をまざまざとみせつけられ強く嫌悪したり、人間らしい温かい気持ちや自分の中にもその嫌悪する面があることを知ってしまい、そのうちに1章の「先生」のように孤独や絶望や寂しさがにじみ出る壮年になっていったことを知る章だったのだから。
「こころ」を読み終わって最初に持った感想
え、ここで終わり?????
ネタバレになるけど状況でいうと、
- 「私」は先生のいる東京を離れ、両親のいる実家にいる
- 父親は数日内に亡くなってしまうような危険な状況である
- 「先生」から分厚い原稿用紙に書かれた自伝とともに”あなたがこれを読んでいる頃、私は自〇しているでしょう”という一言も添えられた手紙が届く
- 「私」はその手紙を持ち、急ぎ東京行の電車に乗る(病院には父の延命を、母と兄にはメモを残す)
ざっくりとこんな状況のまま「こころ」は終わってしまう。
だから、僕は解決していないことが残り過ぎていて読み終わっても全然すっきりしなかったし、内容を噛みしめるよりも「父親や残された家族はどうなったの?」「私は先生に会えたの?」「先生の妻はその後どうなったの?」「この終わり方はそういう疑問を考えろ、ということなの?」と次から次に疑問がわいて仕方なかった。
結局「こころ」とは、「先生」が自伝で書いていた人生の中で感じたことや居た環境をじっくりじっくり味わったり、1~3章を通じて「私」が何を思い先生から何を受け取ったかを考えよう、という受け取り方でよかったのかな、というところに落ち着いた。
2回目を読んだ話はまた次回に回します。
文章長いと疲れてしまうので。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
「読みたい本」は小説。
今週のお題「読みたい本」
読みたい本は、小説。
漫画や絵本は読んできたけど、小説は教科書位しか読んでこなかった。
友だちとの会話で本の話題になった時に全くついていけなくてとても悔しく恥ずかしくなった。
僕の好きな映画の「イコライザー」で、主人公のマッコールさんも、毎晩本を読んでいた。
憧れのキャラクターも本を読んでいる。
それなら僕も、遅いかも知れないけど本を読んでいきたい。
いきなり名著100冊!なんてのは絶対挫折してしまうから、聞き覚えのある作品、作家から始めていこうと思う。
手始めに、
夏目漱石「こころ」を読んでみよう。
夏休みの課題であったけど、結局読まずに通してしまった作品。
これから、読みたい本をはじめよう。
ここまで読んで下さって、ありがとうございます。
また、よろしく。
読書記録_会議の教科書
読んだ本の要点や、感想をまとめるのは、思考力や文章力のトレーニングになると聞いたので、練習してみます
ちゃんと感想書くのなんて何年ふりだろう……💧
世界で一番やさしい会議の教科書(日経BP Next ICT選書)
世界で一番やさしい 会議の教科書
著 者 榊巻 亮
発 行 吉田 琢也
2020年10月16日 第9版
読むのにかかった時間:3h
大まかな内容:
入社2年目の女性社員が、プロファシリテーターの父にアドバイスを受けながら、自分の所属する部署の会議をより効果的なものに変化させていき、部内の問題解決のきっかけとなっていく
いきなり会議を仕切るのではなく、会議の内容や時間配分を確認するなどの小さなことからファシリテートしていく
気になる単語
ファシリテート:容易にする、促進する
何かを決めることを促進する、容易にする技術
バージェンスモデル:発散─収束のプロセス
発散=意見を出す・選択肢を広げる
収束=選択する・優先順位をつける
課題解決の5つの段階
- 事象 何が起こっているのか
- 問題 具体的にどう困るのか
- 原因 なぜそれが発生するのか
- 施策 どんな解決策があるのか
- 効果 どの施策が効果が大きいのか
会議を進めるなかで、メンバーの認識のレベルが揃っていると、問題解決まで短い時間で済む
上から順に、意見を揃えていくと効果的
感想
実際のケースを元にストーリーが作られているので、登場する同僚や上司たちの発言にリアリティがあり、スルスル読むことが出来る。
会議を変えていくコツや、会議そのものを作り上げていく方法が紹介されていくので、自分の立ち位置に合わせて本書のアドバイスを取り入れていくことが出来るのではないだろうか。
部署内や、同僚たちとで回覧したりそれぞれで本書を読んで、実際の会議で挑戦してみるのもいいかもしれない。
個人的に、これまで色んな人たちと会議をしたけれど、効果的な会議だったことは殆どなく、終わった後に不満が聞こえる会議だったことの方が多かったから…
入社2年目とタイトルにあるけれど、何年目の人でも一読する価値はあると思う。
特に、会議をつまらないと思う人達にオススメしたい
ここまで読んで下さってありがとうございます!
一冊の、好きな絵本の話
はじめての記事がこれでいいのか分かりませんが、好きなものの話は、気分が良いものです。
三十路を越えても卒業できない絵本
誰でも小さいころは絵本読みましたよね
達磨ちゃんと天狗ちゃん、
シロクマちゃん、
11匹の猫、ネズミの一家の絵本……
小学生に上がれば半数以上が絵本を卒業して、小説やコミックを読みはじめ、
中学高校に上がれば、絵本なんか誰が読むんだwという環境でした。
それでも僕は、どうしても手元に残したい絵本が一冊ありました。
それは、
ごんが ねらっているよ
おはなしチャイルドリクエストシリーズ_20
作/山元護久
絵/田畑精一
㈱チャイルド本社
ストーリーは、
好き嫌いがある園児のたろうは、ごんという小さな怪獣をこっそり飼っていました
たろうは、嫌いな野菜や牛乳を自分の代わりにごんに食べさせることで園の先生やお父さんお母さんにほめられました
しかし少しずつ、だんだんとごんが大きくなっていることにたろうは気づきませんでした
そんなある日の帰り道、急にごんが大きくなりはじめました。
隠していたカバンはバリバリとこわれて、あっという間に大人よりも大きくなったのです!
どうしよう!たろうがあぶない!
……そもそも怪獣がいる世界観にも驚くし、ごんがどんな生体なのかまったく説明がないのも不穏です。
たろう目線で物語だから、当然ですけどね
で、なんでこの絵本が好きかというと…
とにかく怪獣「ごん」が好きッ!!
これに尽きます。
- たろうに拾われる前はどこにいたのか
- ほかにも怪獣がいるのか
- 逃げたけど、また襲いにくる可能性はないのか
- 拾われた頃からたろうを狙っていたのか
- ビジュアルが明らかに怖さ重視
何度読んでも気になるし、怖いし、不気味です。
ごんのビジュアルも結構怖さ重視のデザインです。
ワニのように濃い緑色のゴツゴツした背中に、
真っ赤なつり上がった目、
尖った牙と、火を吐く口、
そして人語を理解して話す知性、
怖すぎです。
お話では最後、園の先生や友だちが助けにきてくれてたろうは助かり、ごんは風の向こうに逃げて行きます
風の向こうて。
また来るかもしれないじゃん!!
実家を出て、三十路になった僕ですが、
これからもこの絵本は読んでいくと思います。
怪獣はいいぞ!
ごんがねらっているよ (おはなしチャイルドリクエストシリーズ)